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肛門疾患(おしりの病気)

肛門の3大疾患は、
① 痔核(いぼ痔)
② 裂肛(切れ痔、裂け痔)
③ 肛門周囲膿瘍・痔ろう(あな痔)です。
このうち一番多いのが、痔核(いぼ痔)です。
肛門疾患はとても日常的なもので、程度の差こそあれ、非常に多くの人が患っています。
これらの3大肛門疾患のほかにも
 ・肛門脱・直腸脱
 ・肛門皮垂(スキンタグ)
 ・肛門掻痒症
 ・直腸肛門痛
 ・肛門管癌・直腸癌
といった病気も決して珍しくありません。

病気について

①痔核(いぼ痔)
排便や出産、重い物などを持った時にいきばったりすると、肛門内の静脈叢(毛細血管が網の目のように集まり、クッションのような構造を形成している組織)がうっ血して大きくなり、いぼのように膨らみます。これが慢性的に大きくなったものを、痔核と言います。その形状から俗に「いぼ痔」といわれ、肛門の内側にできるものを「内痔核」、外側にできるものを「外痔核」と区別します。
②裂肛(切れ痔、裂け痔)
俗に言う「切れ痔」です。太くて硬い便を勢いよく出したときなどに、肛門内部の粘膜や皮膚が裂けてできた傷のことをいいます。
③肛門周囲膿瘍、痔瘻(ろう)(あな痔)
便の中の細菌が、肛門小窩という肛門出口近くのくぼみに入り込んで感染を起こすと、化膿して肛門の周りに膿がたまります。これが、「肛門周囲膿瘍」です。自壊あるいは切開して排膿し、軽快した後、約40%の人はそのまま治ってしまいますが、約60%の人はいずれ「痔瘻」へと進展します。膿が外に流出するためのトンネル「ろう管」ができた状態を「痔瘻」といい、俗に「あな痔」とも呼ばれます。
④肛門脱、直腸脱
肛門脱、直腸脱は、肛門や直腸までもが反転してお尻の外に飛び出してしまう状態です。肛門括約筋が緩んできた高齢の方に多い傾向がありますが、若い人にも時々見られます。
⑤肛門皮垂(スキンタグ)
肛門の周囲の皮膚がたるんで飛び出している状態を「スキンタグ(肛門皮垂)」といいます。いぼ痔(痔核)が腫れていたことがある人や切れ痔(裂肛)のあった人に多く、その本態は以前腫れていた場所が、腫れがひいてしぼんだ状態です。このため、病気として扱われず軽視されがちですが、肛門の違和感や不快感の原因となることも多いようです。
⑥肛門掻痒症
肛門掻痒症とは、肛門のかゆみを訴える疾患の総称です。多くは何らかの他疾患(糖尿病、肝疾患、アレルギー疾患、ビタミン欠乏症、過度の発汗、真菌症など)に続いておこりますが、原因の不明なものもあります。かゆみの悪循環を絶つことが必要になります。
⑦直腸肛門痛
肛門から直腸に痔核、痔瘻、悪性腫瘍などの器質的な疾患がないのに、直腸下部から肛門にかけて痛みを訴えることがあり、これを直腸肛門痛といいます。機能性直腸肛門障害に分類されています。
⑧肛門管癌、直腸癌
自己判断で「痔」と思って様子をみていた患者さんのなかに、直腸癌や肛門管癌といった悪性腫瘍が隠れているときが、少なからず存在します。症状が続くときには、病院を受診して診察を受けることをお勧めします。

治療について

1)痔核(いぼ痔)
痔の治療の基本は、まず規則正しい排便習慣です。便秘の人には下剤を、下痢の人には整腸剤を投与し調整することが必要です。お酒、香辛料などの刺激物も良くありません。
排便習慣の改善の次に行うものとして、軟膏や坐薬による治療があります。軟膏や坐薬によって、局所の症状の改善を図ります。
外来で対応できる処置法としては、軽い出血には硬化療法、痔の脱出にはゴム輪結紮術といった方法があります。
以上のような保存的な治療を行っても改善しないなら、いよいよ手術を検討します。ジオン(ALTA)四段階注射法による硬化療法、手術による結紮切除術・PPH法などを、ひとりひとりの症状・状態に合わせて選択し、場合によっては組み合わせて治療を行います。
基本的には1~2泊程度の入院治療となりますが、症状、あるいは患者さんの都合に応じて、日帰り手術も対応可能です。
①ジオン(ALTA)四段階注射法による硬化療法
②結紮切除術
古くから行われている痔核の標準的な手術方法です。様々な治療方法が発達した現在でも標準とされています。
③PPH法
全周性の痔核や肛門脱に対して適応があります。術後の痛みが少ない方法です。
2)裂肛(切れ痔、裂け痔)
硬い便などによって肛門上皮が切れて真っ赤な血が出るといったものを急性裂肛といいます。これらの多くは一時的なもので、自然にすぐに治ります。
この急性裂肛を日常的に繰り返すと、次第に慢性裂肛となり、しっかりとした切れ痔(肛門潰瘍)の状態になります。この状態では、排便時の痛みと、痛みのために肛門括約筋が過緊張状態となり結果として肛門狭窄・排便困難になるといった悪循環に陥ります。こうなってしまうと、肛門を広げるための手術が必要となります。
手術方法には、「用手肛門拡張術」「側方内括約筋切開術」「皮膚弁移動術」などがあります。
3)肛門周囲膿瘍、痔瘻(ろう)(あな痔)
肛門の周りに膿がたまる「肛門周囲膿瘍」では、切開排膿して軽快した後、約40%の人はそのまま治ってしまいますが、約60%の人はいずれ痔瘻へと進展します。痔瘻になったら手術するしかありません。
痔瘻の手術方法として、「開放術」、「括約筋温存術(くりぬき術)」、「Seton(シートン)法」などがあります。
4)肛門脱、直腸脱
ご高齢の方や脱出の程度が比較的軽い患者さんには、「Gant-三輪-Thiersch法」を経肛門的に簡便に行っています。
一方、若い人で社会的活動性の高い方や脱出腸管が長い人には、より確実な方法として開腹下で「直腸固定術」を行っています。当院と連携している自治医科大学附属病院では、この方法を腹腔鏡下で行っていますので、希望される方はそちらへ紹介することも可能です。
5)肛門皮垂(スキンタグ)
肛門周囲の炎症をくりかえす場合や肛門の違和感や不快感のために患者さんが気になるときには、切除を行います。

おしりのことでお悩みの方へ

当科では、患者さんひとりひとりの症状・状態に応じて、患者さんと相談し、最善の方法を提案するようにしております。
どうぞ、お気軽にご相談下さい。
〒321-0143 栃木県宇都宮市南高砂町11-17
独立行政法人地域医療機能推進機構 うつのみや病院 外科
電話:028-653-1001 FAX:028-653-1514
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