栄養管理室

栄養管理室紹介

栄養管理室は、病院1階、西口すぐの場所にあり、栄養相談室・調理室も隣接しています。
診療協力部門として、病院に3名・老健に1名の常勤の管理栄養士が在籍し、入院患者さま・入所者さまの栄養管理、栄養食事指導、給食管理等の業務を行っています。
“栄養”という観点から、皆さまのお身体をサポートしています。

栄養管理

入院患者さまの栄養管理は、多職種と協力して、栄養スクリーニング・アセスメント(栄養状態に関する問題の有無を確認し、評価する作業)を行っています。
その結果、特別な栄養管理が必要となった患者さまには、栄養管理計画書を作成し、病態・身体状況・食事摂取状況等を考慮しながら、主治医と相談の上、食事サポートや栄養食事指導を行っています。
また、より専門的な知識を要する疾患の栄養管理や、経腸栄養・静脈栄養の管理には、NSTという、栄養に特化した多職種からなるチームでの栄養サポートも行っています。

ミールラウンド
~ミールラウンドの様子~

栄養食事指導

『医師から食事療法について話を聞くように言われた。太り過ぎてしまったので健康的に痩せたい。痩せてしまったので栄養状態を良くしたい。
嚥下状態が良くないので食べやすい食事形態を知りたい。退院後の食事はどうしたら良いのか知りたい。宅配食や栄養補助食品の購入先を知りたい。』
等、栄養・食事に対する相談をお受けしています。
ご希望の方は、主治医へ“栄養指導希望の旨”をお伝えいただき、ご予約のうえ、栄養相談室へお越しください。
平日9:30~15:30の間で、予約制で行っています。

入院中のお食事

1日約620食(附属老健分も含む)のお食事を提供しています。
安全に、安心してお召し上がりいただけるよう、衛生面に配慮しています。
また、選択食や季節ごとの行事食を取り入れることで、お食事を楽しんでいただけるよう心掛けています。

【給食委託】

当院では、給食業務をコンパスグループ・ジャパン(株)へ委託し、病院管理栄養士と連携して食事づくりをしています。

【適時適温での食事提供】

◯配膳時間
朝食 8:00 ・ 昼食 12:00 ・ 夕食 18:00

◯温度管理
温冷配膳車を使用し、温かいものは温かく、冷たいものは冷たくお届けしています。

~温冷配膳車~

【行事食】

入院生活が長くなると、日にちの感覚や季節の移り変わりに疎くなりがちです。
食事を通して、少しでも季節の移り変わりを感じていただけるよう、そして、“食べること”を楽しんでいただけるように行事にちなんだお食事を取り入れています。
2023年度は、合計32回の行事食を実施しました。

~お盆~

~野菜の日~

~重陽の節句~

~十三夜~

~クリスマス~



【お食事相談】

食がすすまない・形態が合わない・食べられないものがある等、お食事でお困りの際はご相談ください。管理栄養士がベットサイドへ伺い、個別に対応いたします。

~個別対応の例~

*離乳食:月齢に関わらず、お子様ひとりひとりに合わせた食形態や味付けで提供しています。
     入院時、栄養士が伺いますので、ご要望がありましたらお伝えください。

*アレルギー:程度に応じて、完全除去(禁止)もしくは、その物のみを除く(抜き)対応をしています。

*好き嫌い:栄養を考慮して作成している献立です。基本的には、お召し上がりいただきたいと考えています。
                   「どうしても食べられない」という場合に限り、代替品や除く(抜き)対応をしています。

【当院の食種一覧】

 食 種特 徴




*バランス食
*バランス軟菜食
栄養バランスに配慮した、一般的な食事。
常食(軟菜は全粥食)。
エネルギーは1200から2500kcalの間で100kcal毎に調整。
コレステロール値300mg以下。
低プリン体。
*ハーフ食
*ハーフ軟菜食
食事摂取量の少ない方向けの、量を少なく調整した食事。
基本食:バランス食(またはバランス軟菜食)1700kcalの半量の食事。
*バランス軟菜5分粥食
*3分粥食
*流動食
消化機能回復期の上がり食。
*小児食
*幼児食
*離乳食
0~15歳に対応した食事。
*嚥下調整食摂食嚥下障害のある方に対応した食事。
※下記、嚥下調整食について参照。
*セレクト食患者さまのご希望に合わせた個別対応のお食事。




*バランス食
*バランス軟菜食
*バランス軟菜5分粥食
栄養バランスに配慮した、一般的な食事。
常食(軟菜は全粥食)。
エネルギーは1200から2500kcalの間で100kcal毎に調整。
コレステロール値300mg以下。
低プリン体。
糖尿病・脂質異常症・高度肥満症・高尿酸血症・慢性肝炎・肝硬変代償期
*減塩バランス食
*減塩バランス軟菜食
*減塩バランス軟菜5分粥食
内容はバランス食(バランス軟菜食)に準ずる。
塩分6g未満。
高血圧(非加算)・心臓病・軽度腎症・慢性肝炎・肝硬変代償期
*易消化食
*減塩易消化食
食物繊維の多い食品や多脂性食品を控え、消化しやすい蛋白源を用いた食事。
※減塩は塩分6g未満。
胃術後・消化器術後・胃潰瘍・十二指腸潰瘍
*消化器術後食
*消化器術後6分割食
*減塩消化器術後食
*減塩消化器術後6分割食
多脂性食品を控え、消化しやすい蛋白源を用いた食事。
※減塩は塩分6g未満。
胃術後・胃潰瘍・十二指腸潰瘍
*低残渣食Ⅰ
*低残渣食Ⅰ減塩
食物繊維の多い食品や多脂性食品を控えた食事。
※減塩は塩分6g未満。
消化器術後
*低残渣食Ⅱ
*低残渣食Ⅱ減塩
食物繊維・脂質・腸内発酵食品の使用を極力控えた食事。
※減塩は塩分6g未満。
潰瘍性大腸炎・クローン病
*蛋白調整食蛋白質量別に、30・40・50・60gに調整。
塩分6g未満。
カリウム40mEq以下。
リン600mg以下。
腎臓病
*脂肪調整食
*脂肪調整食軟菜
*減塩脂肪調整食
*減塩脂肪調整食軟菜
脂質30g以下に調整。
※減塩は塩分6g未満。
急性肝炎・慢性膵炎・閉塞性黄疸
*減塩肝不全食アンモニア産生を抑えるため低蛋白で、食道静脈瘤へ配慮した軟らかい食材・調理法を選択した食事。
腹水や浮腫を考慮し、塩分6g未満。
血中アンモニア高値者・アミノ酸製剤使用者・肝硬変非代償期・肝不全
*貧血軟菜食鉄分を強化した食事。
鉄欠乏性貧血
*大腸内視鏡検査食大腸検査の前処置のための低繊維・低脂肪に調整された食事。
キット製品。NewサンケンクリンⅡを使用。
大腸内視鏡検査受診者

嚥下調整食について

噛みにくい・飲みこみにくい等でお困りの患者さまへ、嚥下訓練食の対応をしています。
従来のきざみ食は、口の中でまとまりにくく、バラバラになり、かえって誤嚥のリスクが高まることがわかってきました。
そこで、当院では、平成18年度より『嚥下食ピラミッド』に準拠した献立作成を開始し、現在は『学会分類2021』に対応した
コード1jからコード4と、段階を分けたお食事を提供しています。

【学会分類2021と他分類の比較表】

~当院の摂取・嚥下調整食の例~

    ~献立例~
    ソフール、ブイ・クレスハイプチゼリー

    ~献立例~
    トロミ全粥・ミキサーにかけたペースト状のおかずやフルーツ缶詰等。

    ~献立例~
    全粥・すまし汁(とろみ付)・筑前煮(嚥下食用の軟らか食材使用・とろみ付)・  
    お浸し(圧力鍋を使用し軟らかく調理・とろみ付)・抹茶ムース(飾り用の
    あんこは、こしあんを緩くのばして使用)。

    ~献立例~
    全粥・すまし汁(とろみ付)・筑前煮(嚥下食用の軟らか食材使用・とろみ付)・ 
    お浸し(圧力鍋を使用し軟らかく調理・とろみ付)・抹茶ムース(飾り用の
    あんこは、こしあんを緩くのばして使用)。

    ~献立例~
    軟飯・すまし汁(具は麩を使用)・筑前煮(圧力鍋を使用し軟らかく調理)・
    お浸し(圧力鍋を使用し軟らかく調理)・抹茶ムース(飾り用のあんこは、
    こしあん使用)。

     ~献立例~
     ごはん・すまし汁・筑前煮・お浸し・抹茶ムース。

濃厚流動食について

経鼻・経食道・胃瘻栄養等に用いる濃厚流動食は、患者さまの病態に合わせて使い分けられるよう、複数の製品を採用しています。
現在、当院で採用している濃厚流動食は下記の通りです。(これ以外に、医薬品の経腸栄養剤もあります。)
その他、病態用濃厚流動食につきましては、随時、検討・対応しています。

 製品名メーカーパッケージ特徴




*MA-ラクフィア1.0
300kcal
400kcal
(株)クリニコ1kcal/1ml
半消化態栄養。
NPC/N:131
*アイソカルBag2K
400kcal
500kcal
ネスレ日本(株)2kcal/1ml
半消化態栄養。
NPC/N:150
*ペプタメンスタンダード     300kcal
400kcal
ネスレ日本(株)1.5kcal/1ml
消化態栄養。
NPC/N:150
*メイグット
300kcal
400kcal
(株)明治半消化態栄養。
NPC/N:134
半固形タイプ
*アイソカル Clearネスレ日本(株)1.0kcal/ml
半消化態栄養。
NPC/N:100
無脂肪・無残渣。
*グルタミンCOアイドゥ(株)グルタミン・亜鉛を補給できる栄養機能食品。

栄養補助食品について

通常のお食事だけでは、充分な栄養量を摂取できない患者さまのために、補助食品を取り揃えています。

~採用品の例~

 主な用途製品





*エネルギー強化
*蛋白質強化
*微量元素強化

*食物繊維強化
*低蛋白・エネルギー強化
*とろみ剤

チーム医療

院内に複数あるチーム医療のうち、管理栄養士は下記のメンバーとして活動しています。

栄養サポートチーム(NST)

NSTは、“Nutrition Support Team”の頭文字をとった略称です。
医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・臨床検技師・リハビリテーションセラピスト・
事務員等で構成されています。
患者さまの全身状態から栄養評価を行い、その方に合った栄養療法の提案をしています。
食事だけではなく、経腸栄養や静脈栄養での栄養管理も行っています。

褥瘡対策チーム

医師、皮膚・排泄ケア認定看護師、特定行為研修終了看護師、病棟看護師、薬剤師、管理栄養士、リハビリテーションセラピスト、事務員等で構成されています。
褥瘡(床ずれ)の評価を行い、創傷治癒へ向けた栄養療法の提案をしています。

研修生・実習生の受け入れ

下記の研修生・実習生を受け入れています。
*静脈経腸栄養(TNT-D)研修会・栄養サポートチーム担当者研修会の認定教育施設における研修
*栄養士・管理栄養士養成校の臨地実習

2024.6現在